はっとする推しの逸品
吉田町は、静岡県中部を流れる一級河川大井川河口右岸にある駿河湾に面した平坦な地形の20.73平方キロメートルの町です。明治12年10月の合併を最後に単独で吉田村から吉田町と改称し、今もなお単独で町を運営している町です。
この小さな町が単独で運営し続けることができたのは、時代の変遷とともに町をしっかりと支える産業が営まれ続けてきたからです。
吉田町は駿河湾に面し、大井川の豊富な伏流水に恵まれた肥沃な土地が広がる平坦な地形と温暖で暮らしやすい土地です。そして、昭和44年2月には東名高速道路吉田インターチェンジができ、平成21年6月には近隣地に富士山静岡空港が完成しました。輸送の便もさらに良好となり、漁業や農業に限らない多様な産業が営まれてきました。
こうした状況の中、しらす漁としらす加工販売業、養鰻業とうなぎ加工販売業、レタス栽培などが根付くと共に、これらの産業を支える造船技術や製網技術、発泡スチロール製品製造業も盛んになりました。また、静岡県西部の織物産業の影響を受けた細幅織物製造業が集積した時代もあるなど、多様な地場産業が生まれました。そして、昭和40年代中頃から大手企業の立地が相次ぎ、町の発展を支えています。しかし、それらの産業の中には時代の移り変わりの中で途絶えてしまったり、形を変えて伝承されたりしているものもあります。
今の吉田町は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに被災しないまちづくりを推進すると同時に賑わいを生み出そうとする「シーガーデンシティ構想」を推し進めています。川尻海岸には1000年に1度の大津波もブロックできるシーガーデン(防潮堤や多目的広場)ができ、道路網は拡充や新たな企業立地や商業集積も進んだことで町の底力がさらに上がっていることを実感できるようになりました。町の卓越した子育て施策などと相まって暮らしやすい町へと進化し続けています。
当法人では、こうした歩みを続けている吉田町を「はっとする推しの町」として皆さんに紹介したいと考えています。その紹介方法として、町を支える伝統の技などを活用して生み出される逸品を「よしまちべっぴん」としてご紹介し、吉田町の魅力に触れていただけるようにしたいと考えています。
「よしまちべっぴん」としてまず思い浮かぶものは「うなぎ」と「しらす」ですが、この他にも自慢の逸品はたくさんあります。
当法人では、うなぎやしらす以外の魅力あふれる商品を「はっとする推しの逸品」としてご紹介することにしました。一定の基準とコンセプトに沿った吉田の逸品を「はっとする推しの逸品」として認定します。
・町内の事業者が自ら町内で生産または加工した商品であること
・独創性を主張できる(伝統技法、独自技法、町の特産品や著名な素材を使った)商品であること
・町内で小売販売も宅配による販売も行っている商品であること
・品質やイメージの悪さに関する深刻な指摘がない商品であること